タイで新工場の立上げをサポート

工場の新規立ち上げに参加し、ゼロの状況から
年間18万トンに及ぶ巨大な生産管理システムを構築。

石原 正嗣の写真

開発統括部 プロジェクト第1部 第2課長(当時)
石原 正嗣

出倉 五月の写真

開発統括部 プロジェクト第1部 第2課(当時)
出倉 五月

増本 大輔の写真

開発統括部 プロジェクト第1部 第2課(当時)
増本 大輔

ティーラパット アナンタパンポンの写真

開発統括部 プロジェクト第1部 第2課(当時)
ティーラパット アナンタパンポン

国内工場での実績を活かして
タイ新工場のシステム担当に

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アルミニウム圧延品(板製品)の生産能力が年間100万トンを超えるUACJ様は、古河スカイと住友軽金属工業の経営統合で誕生した、世界トップクラスのアルミニウム総合メーカーです。この企業力を活かしたグローバル戦略の一環として2011年、タイに日本のアルミメーカーとしては初となる、海外での鋳造から圧延、仕上工程までの一貫生産工場の建設を計画。新工場の運営に必要な「基幹系」「設計関連」「生産管理」の主要3システムは、古河電工グループのITシステム構築で多くの実績を持つFITECが担当することになりました。 この中で生産管理システムは、国内2大工場の深谷製造所と福井製造所をベースに構築することが決定。「そこで深谷製造所を担当していたUACJ様のシステム子会社と一緒に、福井製造所のシステムを担当していた私の部署が開発を担当することになりました」と、生産管理システム開発プロジェクトのリーダーを務めるFITECの出倉五月は語ります。
板製品の生産工程は、原料を溶解してアルミ塊(スラブ)をつくる「鋳造」、加熱したスラブを延ばす「熱間圧延」、板製品に仕上げる「冷間圧延」、最終処理を行う「仕上げ」に大きく分けられます。今回の建設では、1期として後工程の「冷間圧延」と「仕上げ」、2期で「鋳造」と「熱間圧延」の構築が決定。生産管理システムもこの計画にあわせて開発することが決まり、1期プロジェクトが2011年11月にスタートしました。

FITEC独自のフレームワークにより
わずか3ヵ月で大規模システムを開発

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「1期で苦労したのは、要件定義の段階でしたね。そこは出倉さんのこれまでの経験が、存分に活かせたのが大きい」と、生産管理システム開発プロジェクトをマネジメントするFITECの石原正嗣は言います。 というのも、お客様にとって板製品生産工場の新規立ち上げは30年ぶり。設備仕様の決定に多くの時間が必要となり、設備や業務がない状況で要件定義を行うことになったからです。「何も工場の設備が無い中での要件定義でしたので、実際の操作性などは、国内の状況を参考に、これから採用される現地の方々の使いやすさを想像して検討するしかありませんでした」(出倉)。
要件定義と並行して工期の具体化が進み、2013年11月までに冷間圧延、仕上圧延の稼働に必要な基本機能を開発したのち、残りの機能を開発することが決定。「要件が固まったのは8月。冷間圧延の試運転に合わせるため必要な基本機能を3カ月で開発するという厳しい状況でしたが、工程を理解していることと、FITEC独自のフレームワークを開発プラットフォームに採用することで、稼働にあわせて開発することができました」(出倉)。FITECのフレームワークは、Javaで標準的なSMARTフレームワークをカスタマイズしたもの。基本機能の提供により、Javaの習熟度に左右されず、多くの技術者が連携して高品質なシステムを効率よく開発できる仕組みを実現するものです。
その後石原たちは現地で立ち上げを行うため、タイへ。「朝8時から現場でシステムを構築し、作業が終わるとホテルに戻って翌日の内容を確認することで、着実にシステムをリリースしていきました」(石原)。こうして2014年1月、1期工事の完了と同時に、1期システムもすべてが稼働を開始しました。

生産計画の変更にも
画面からの操作で柔軟に対応

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2期プロジェクトのリーダーであるFITECの増本大輔は、2期の立ち上げにあわせて2014年4月、プロジェクトに合流しました。「2期プロジェクトは、1期の保守および品質改善と並行して、2期工事への対応を進めていきました」。まずは、2015年1月に稼働を開始する鋳造向けのシステム設計に着手。その後、順次立ち上がる周辺設備への対応を進め、4月から熱間圧延用システムの設計開発を進めていきました。
「2期最大のテーマは、生産計画が変更になった場合への対応を、柔軟に実施できるようにすることでした」(増本)。各設備の稼働状況をユーザーのオペレーション画面に表示し、該当する設備の稼働状況を操作して、生産量を調整したり、生産工程の入れ換えなどが行えるようにすること。「こうした変更指示が画面上で簡単に実現できるよう、実際に操作を行う現地の方から要望と意見をもらい、FITECフレームワークで開発した画面に改良を加えて、見やすさと使いやすさを実現しました」(増本)。
2015年8月、2期工事が完了し、システムもすべてが稼働を開始。これにより、年間18万トンという巨大な生産能力を誇る一貫生産体制の本格稼働が始まりました。

複雑な工程で生産される製品の
品質向上やリードタイム短縮に貢献

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「現在は、生産管理システム全般の運用管理は我々が日本から行っています」(石原)。具体的な取り組みとしては、今後の生産改善に役立てていただけるよう、各設備から稼働データを抽出してデータベースに蓄積し、管理できるようにしたり、システムに不具合が起きていないかの監視などを行っています。安定運用のため、現地との金美羽tなコミュニケーションを心がけ、日本・タイの休日差異調整、時差にも配慮した対応を行っています。
「さらに、お客様から寄せられる改善要望にも対応しています」というのは、タイ出身のティーラパット・アナンタパンポン(クワン)です。これまでにもクワンは、システムの操作性やGUI向上、さらに現場スタッフ向けのレポート作成機能など、お客様の要望に応えてシステム変更に取り組み、具体的な展開をFTCに指示してきました。「シーンにあわせ、日本語、英語、タイ語でコミュニケーションできるのは、FITECの強みの一つだと思います」(石原)。
アルミ板製品は、さまざまな設備を連携させた複雑で多くの工程を経て生産される、特殊なものです。FITECは、その生産管理システムの設計・開発・運用を手掛けたことで、単なるシステム化だけでなく、品質向上やリードタイム短縮を実現する数多くの知識とノウハウも蓄積しました。FITECはこの強みを活かし、今後も国内外のアルミ生産はもちろん、応用が可能な素材系製品の生産性や品質の向上ニーズにも応えていきたいと考えています。

写真

(左)開発統括部 プロジェクト第1部 第2課(当時)
ティーラパット アナンタパンポン

(中央左)開発統括部 プロジェクト第1部 第2課(当時)
出倉 五月

(中央右)開発統括部 プロジェクト第1部 第2課長(当時)
石原 正嗣

(右)開発統括部 プロジェクト第1部 第2課(当時)
増本 大輔