GISでインフラ設備を一元管理

30年以上蓄積してきた設備管理ノウハウを応用。
IoT・AIとの融合で、GISの新たな可能性を切り開く。

竹澤 清史の写真

ソリューション事業部 第1ソリューション部 開発課長
竹澤 清史

宮島 麻菜の写真

ソリューション事業部 第1ソリューション部 開発課
宮島 麻菜

電気と情報通信事業を手掛けるお客様を
設備管理の側面から20年以上サポート

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電気事業や情報通信事業など、人々の暮らしに密着したサービスを数多く展開する電力会社のA社様。管轄エリアの快適・安全・安心・発展に貢献するサービスを、24時間365日休まず提供し続けるためには、関連設備の的確な保守管理とメンテナンスが欠かせません。その業務を効率よく行うために導入されているのが、FITECの設備管理プラットフォーム『doSmart FMP』です。
このシステムは、GIS*を利用して各設備の情報を視覚的に管理できるというもの。「FITECは、2001年にdoSmart FMPの前身である『EyePack-NET』の提供を通じて、A社様の業務サポートを開始しました」と語るのは、GIS事業に長年携わってきた竹澤清史課長です。FITECのGISは、高速レスポンス性と機能拡張性が高く評価され、各地の電力会社様・通信会社様に導入されています。A社様でも、管理対象の設備の情報がマップ上に素早くビジュアル表示され、ストレスなく使用できる使い勝手の良さが導入の決め手となりました。「導入後もご要望に応じて対応機能を拡張し、かれこれ20年にわたってお客様をサポートしています」と、doSmart FMPの導入支援チームの一人、宮島麻菜は説明します。

* GIS
Geographic Information System(地理情報システム)。地理情報を持つデータを総合的に管理・加工し、その内容をコンピュータ画面に表示したマップ上で❝見える化❞して視覚的に理解できる状況にすることで、高度な分析や管理、迅速な判断を可能にする技術

設備管理技術に特化したGISを
業界のパイオニアとして開発

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FITECがGISに取り組み始めたのは、約30年前のこと。古河電気工業様から、電力会社様の業務効率向上に貢献するGISの共同開発を提案されたのがきっかけでした。
当時はデジタルマップの価格がかなり高額だったため、ユーザー自らが必要な地域のマップを作成して費用を抑えるという手間を掛けていました。そして、この状況を一変させたのが、Webサイトやスマートフォン上からの地図利用の普及です。デジタルマップが身近になり、また開発コストが低減したことで、GISの注目度はアップしました。
FITECでは独自のロジックを開発し、電力ケーブルの送電経路や設備機器、電柱、マンホールなどの設備情報を高速でビジュアル表示させ、保守管理やメンテナンスを効率化するGISを実現。
「GISを利用した設備管理の業務効率化をお客様に提案し、電力会社様での採用が決定。さらに1999年には取扱対象を光ファイバーに拡張したEyePack-NETを開発し、新たに通信会社様への導入も始まりました」(竹澤)
そこでFITECは、長年培ってきた光通信技術とICT技術を結集。そして、業界標準のGISを採用したdoSmart FMPを開発しました。

技術の蓄積を活用することで
電気設備と通信設備の一元管理も可能に

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doSmart FMPでは、設備管理に効果的なレイヤーの管理をすることで、FITECが得意とする高速レスポンス性をさらに向上。膨大な設備情報と連係させても必要な情報をスムーズに表示し、ストレスのない業務推進に貢献しています。また、施設管理情報に設備状況(ステータス)を組み合わせることで、無理・無駄のない点検ルートを決定し、業務の最適化を実現。モバイル端末にも対応したことで、GPS機能を利用して点検目的地まで正確に誘導することはもちろん、検査結果を作業現場でリアルタイムにシステム反映することも可能にし、業務の効率化をサポートしています。
「さらに、光ファイバーの設備情報を管理して、ケーブル系統図やビル内図はもちろん、心線の接続情報や回線ルート情報なども一元管理しています」(宮島)
さらに、柔軟な機能拡張を活かし、電力の省エネ化に貢献するスマートメーターの設備管理ニーズにも対応しました。これは、FITECが電力関連の技術知識を蓄積していることに加えて、doSmart FMPがさまざまな設備情報を一元管理できる機能を搭載していたことから実現できたカスタマイズ対応です。
「まさに、FITECならではの特長が発揮できた取り組みだと思います」(竹澤)

GISの新たな可能性を導き出すため、
社内外のさまざまな組織との連携を推進

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社会のニーズやテクノロジーの進化とともに、FITECでもGISの新たな展開を模索しています。「私たちはこれまで培った設備管理技術に関するノウハウを用い、より多くのお客様の業務効率化に貢献できると考えています」(竹澤)
この想いに基づいていま、積極的に取り組んでいるのが、お客様内のさまざまな部署で管理している情報を、GISを土台とした設備管理に紐づけることで、さらなるお客様業務の効率化を図ることです。そのためにお客様と一緒に実現するための提案を積極的に行っています。また、蓄積したノウハウを電気・通信以外の社会インフラに展開すること、さらには営業や流通、保険といった別領域への応用も検討しています。
そしてもう一つ、大きな方向性として見据えているのが、IoT・AIとGISの融合です。
「たとえば、地震などの自然災害によるインフラ被害をディープラーニングし、お客様の設備情報と連携させることで、今後発生する自然災害リスクを事前予測するといった取り組みを考えているところです」(竹澤)
FITECでは、このようにGISの新たな可能性を導き出すため、社内外のさまざまな組織との連携も、積極的に進めていく予定です。

田口 悠嘉、村田 雅彦の写真

(左)ソリューション事業部 第1ソリューション部 開発課長
竹澤 清史

(右)ソリューション事業部 第1ソリューション部 開発課
宮島 麻菜

※当記事のインタビューは、取材当時の情報です。所属、内容について変更がある場合があります。