新工場の基幹システムを構築

工場の新設に伴い、約半年で基幹システムを立ち上げ、
現地サポート部隊の組織化と教育・支援も担当。

綱 太郎の写真

開発統括部 プロジェクト第2部 部長(当時)
綱 太郎

時田 正博の写真

開発統括部 開発部 技術課(当時)
時田 正博

新会社の設立・工場建設に合わせて
基幹システムを導入

More

古河電池様は、自動車用バッテリーを主軸に、各種エネルギー機器を提供している企業です。海外展開にも積極的で、2013年12月には自動車需要が急伸するインドネシアに、現地の有力企業と合弁企業2社を設立しました。その1社で、自動車用バッテリーを製造するPT. FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY MANUFACTURING社(以下FIBM)では、2015年1月の稼働に向けて工場建設に着手。これに合わせて、2014年12月に基幹システムを立ち上げるため、古河電池および古河電工の情報システム部門と検討を進め、決定した方針の実施提案を依頼した先が、FITECでした。「依頼内容に基づいて提案を行った結果、担当することが決定しました」と語るのは、今回のプロジェクトマネージャーを務めたFITECの綱 太郎です。
FITECが評価された点は、古河電工グループ各社の生産管理システムを多く手掛け、生産関連の知識が豊富で、業務理解がスムーズに行えること。さらに、古河電工が海外のグループ企業で導入する基幹システムに定めているDynamics AXの導入実績が、タイとマレーシアの現地法人に対してあること。もう一つが、サポート体制への取り組みです。「今回の運用サポートは古河電工のインドネシア法人であるFEIにIT部門を新設して行うことになっており、現地で部門の新設に向けた教育・支援体制が組めることも評価されました」(綱)。

国内工場を参考に
業務フローを想定してシステムを構築

More

2014年6月にプロジェクトがスタート。システム構築の課題について、開発をリードしたFITECの時田正博は、次のように語ります。「パッケージを使用するとはいえ、要件定義から稼働まで約半年だったことが、最大の難関でした」。
FITECがこれまでに担当したDynamics AXを利用したシステム構築は、最初に会計や販売に対応し、運用が安定したのち、対応領域を広げていくことがほとんどでした。ところが今回は、会計と販売をはじめ、生産、在庫管理、購買、販売、給与計算と、最初から全主要業務が対象であるにもかかわらず、開発期間はわずか半年しかありませんでした。
その一方で、スタッフの採用もまだで、業務内容が未定。「そこで、操業準備をいわき事業所で進めている担当者を毎週訪問。日本の製造現場を見ながら説明を聞いて業務を理解し、FIBMでの業務を想定して要件定義を実施。予算の関係で多くのカスタマイズが行えないことから、想定フローをパッケージの基本機能に当て込みながら、システムを構築していきました」(時田)。
もう一つ苦労したのが、現地商習慣への対応です。数字の位取りに使用する記号や帳票の仕様など、日本と異なる点が数多くありました。そこで、「FITEC社内はもちろん、古河電工グループの現地法人と連絡を取り、解決に取り組みました」(綱)。ただ、複雑な税法や給与関連に短時間で対応することは難しいと判断。現地SIerからモジュールを導入して対応しました。

工場の早期稼動に向けて
新人スタッフの指導も実施

More

2014年12月、日本で開発したシステムを導入するため、綱たちは現地へ向かいました。
工場建設が遅れていたため、日本で調達したハードウェア類は現地の親会社に搬入し、システムのインストールと構築を実施。工場内コンピュータルームの完成を待って移設しました。「この作業と並行して、新設したFEIの運用サポートスタッフへの教育も実施。リーダー職についてはFITECから人材を派遣し、体制の整備を進めました」(綱)。
順調に進む業務がある一方で、想定外のことも多く起こりました。コンピュータルームに電源が足りなかったり、IPアドレスの競合でセットアップ中に通信が止まったり、工事車両がネットワークケーブルを切ってしまったり。また、条件の良い会社があると、すぐに転職するのがインドネシアの求人市場。管理職クラスも例外ではなく、会計マネージャーがいきなり転職し、稼働準備が止まってしまうことも少なくありませんでした。そのとき、基幹システムの構築を通じて業務フローを理解していたことから、綱たちが新人スタッフに業務の進め方やシステムの使い方、各部署の役割、部門間の連携などを指導することもありました。「業務も建物も何もないところから、1日ずつ工場らしくなっていく。その姿を間近にできたことは、面白く、貴重な体験になりました」(時田)。

組織の立ち上げと並行した
基幹システム導入にも対応

More

工場の建設遅れや諸事情によって稼働時期が変更になったものの、2015年1月末に基幹システムの運用が始まり、3月に工場が操業を開始しました。FITECのスタッフは工場の操業から1カ月間、現地でサポートを行ったのち、帰国。4月からはFEIによる全面サポートに切り替わりました。
FIBMプロジェクトを通じて綱は、「まったくゼロの段階から工場の立ち上げに参加したことで、FITECの強みである製造に関する知識が、より一層強化されました」と、自信を持って語ります。さらに、Dynamics AXのフルモジュール対応を経験したことで、多くの知識とノウハウを蓄積。海外拠点でのサポート体制も確立したことで、提供できるソリューションの幅も広がりました。「こうした実績がFITECの新たな特長となり、Dynamics AXを利用する海外案件の依頼が増加。現在も大型導入案件への対応を進めているところです」(綱)
今回の経験を通じて得た知識とノウハウを活用し、FITECではDynamics AXを利用した基幹システム導入を積極的に支援していきたいと考えています。

田口 悠嘉、村田 雅彦の写真

(左)開発統括部 プロジェクト第2部 部長(当時)
綱 太郎

(右)開発統括部 開発部 技術課(当時)
時田 正博