Thema 3 出産前後の働き方の違い
時間に対する意識は変わったけど、働く喜びには変わりはない。
それは周囲の環境に恵まれているからだということを、忘れてはいけない。
ZHANG
- 私は出産してから入社したので実感がないのですが、お二人とも、子供ができたら会社を辞めようとか考えてなかったんですか?
W.S
- 私は全然なかったです。自分が外に出て仕事をすることが結構楽しいんで。
Y.K
- それは、すごく分かる。子供が生まれてから気付いたんですけど、家に帰れば子育てが大変だけれど、仕事のことは忘れられる。会社に来ると、仕事は大変だけど、子育ての大変さからは離れられる。専業主婦の方のように、1日子どもと一緒っていうほうが、精神的には大変かもしれない。
ZHANG
- 入社前から、出産しても仕事をやり続けるぞ、と思っていらっしゃったんですか?
Y.K
- そうね。働くと思ってたわね。やっぱり主人と二人で働くほうが、生活は安定するじゃない?このご時勢、そういう人が多い気がします。
W.S
- 私の場合、入社当時って、まだ20歳そこそこだったので、何も考えてなかったです。でも、漠然とですが、結婚して、会社をやめて、子どもを産んで…みたいな感じじゃないな、という思いはありました。
ZHANG
- 中国だと、女性が結婚、出産後も働くのが当たり前で、私がちっちゃい頃も、いつも母親が仕事で不在だった記憶がありますけど、皆さんは仕事と子育てを両立できるかという不安はなかったですか?
W.S
- 忙しくなるんだろうな、とは思ってましたけど、みんなやってるから、まぁ、なんとかなるのかな、っていう感じでしたよ。
Y.K
- 先輩のママさん社員の働きぶりを見て安心した?
W.S
- そう言われると、そうかも。でも、正直なところ、何も考えてなかっただけかも(笑)。
ZHANG
- 実際に職場に復帰してみて、気持ちが変わったりはしませんでした?
W.S
- 復帰してまだ半年も経ってないですけど、今のところ「大変過ぎるから、やっぱり会社をやめよう」と思ったことはないです。大変だけど続けていこう、っていう思いのほうが強いですね。
Y.K
- でも、そう思えるのは、両立できる環境があるからだと思う。社内の制度はもちろんですが、同じ職場の方たちの理解が一番大切だと思うんですよ。
W.S
- 確かに、子供が小さい時には、急に熱を出したり、保育園から呼び出しがあったりするけど、周りが「後は任せて帰っていいよ」と言ってくれる。その点は恵まれているのかな、と感じています。
ZHANG
- よく、出産後は出産前のようには働けない、という話を聞きますけど、お二人は出産前後で部署や仕事が変わったりしたんですか?
Y.K
- 私はまったく変わってません。もともと受注・発注を管理したり、購買先への見積もり依頼や入金確認といったデスクワークをしていましたが、復職後も同じ職場、同じ役割にそのまま戻りました。W.Sさんは?
W.S
- 私もですね。システムの保守・運用を担う部署で働いていましたが、復帰後も担当するシステムが変わっただけで、仕事自体は変わっていません。
ZHANG
- それは、元の職場に戻りたいと希望していたから?
W.S
- というよりも、タイミングの問題です。私が復帰したのが6月だったんですけど、ちょうど入れ替わりに産休に入る方がいて、もともと同じ部署だから穴を埋めるのにはちょうどいい、みたいな(笑)
ZHANG
- 仕事のやり方で、変わった点はありますか?
W.S
- やはり、子供が突然、熱を出して休むといったこともあるんで、私がいなくても仕事に支障がないような体制になりました。今は同じシステムに副担当がいて、常にその人と情報を共有しながら仕事をしています。
Y.K
- 私は時間の使い方が変わったように感じますね。一日中、「あと何時間で帰らなきゃ」ってあせりながら仕事をしています。
W.S
- 確かに、時間内に終わらなかった場合、誰かに引き継いで帰らなきゃいけない、というケースがありますよね。
Y.K
- そこは割り切りが大切だと思う。保育園のお迎えも待ってくれないし、まして、急に子供が熱を出したら、すぐに帰らなきゃいけないから。
W.S
- あと、産休前に比べて、すごく予定を立てるようになりました。出産前は、できるだけお客様の都合に合わせよう、と思ってたんですけど、復帰後は、やっぱりそうも言っていられないので、こちらのほうから納期や日程を提案して、それとなくお客様に合わせてもらっています。
ZHANG
- 確かに、時間の使い方は意識しますよね。私は研究開発職ですけど、常に納期やスケジュールを意識していないと、上司に怒られちゃいます。最初は、あまり慣れませんでしたが、最近だんだん、コツがわかってきて、スケジュール通りに進まないときは、事前に上司と相談して、他の担当者に代わっていただくとかして、全体のプロジェクトに影響を及ぼさないようにしています。
Y.K
- 仕事をシェアするコツをつかんできたとういうわけね。
ZHANG
- そうですね。今、上司の席が隣にいるんで、できるだけ相談したり、急ぎのときは声をかけたりしています。
W.S
- 厳しいところもあるけど、理解のある上司なんだ。
ZHANG
- はい。実は、上司も同じ年の子どもがいるので、逆に相談されることもあるんですよ。今、保育園で流行っている病気とか、奥さんが困っていることとか(笑)
Y.K
- やっぱり、職場ではお互いに助け合うことが大切ね(一同笑)。