ざっくばらん座談会 FITECの未来を語る

Thema 2 これからのFITECに期待することは?

これからのFITECを、どのような会社にしたいと思っているのか、聞かせてください。

橋本
個人的には、横のつながりをもっと強化したいですね。たとえば今、僕はFASの海外プロジェクトに携わっていますが、他部署でこの状況を知っているのは、おそらく部門長や課長クラスだけ。担当者レベルだと、僕がどのような課題に取り組み、ソリューションを提供しているのか、知らないと思います。
西沢
同じ部署でも、課が違うとプロジェクト名くらいしかわかりませんよね。
橋本
逆にいえば、僕は開発保守部門がどんなお客さまを相手に何をしているのか、よく知りません。以前は、同期が開発保守部門に所属していたので、僕が課題に直面したときに、同じような課題をクリアした人を教えてもらって相談することができました。でも、同期が異動してしまうと、その手立てもなくなってしまいました。
菅井さん(以下、菅井)
以前は社員親睦会の延長線上で「未来会」という活動がありました。その一つに、年1回、全社員が1カ所に集まる全体会というイベントがあったので、仕事内容を含めたさまざまな情報を共有できました。実際にお話しして顔見知りになれた人とは、そのあと一緒に仕事をするときもスムーズだったのを覚えています。
最近では、特にシステムセンターの人たちとは会う機会がほとんどありません。なので、名前は知っていて、電話で話もしてメールもやり取りしているけれど、顔を知らないという人が増えました。以前に比べると、少し仕事がやりにくくなったようにも感じます。
谷口
私も着任後、食事会を含めていろいろな部署の人とコミュニケーションを図ることで、FITECのさまざまな面について知ることができました。拠点間や部署間のつながりを強くする機会は、ぜひ増やしたいですね。
田中
研究会でも良いかもしれません。部門を横断する研究テーマを企画してメンバーを募集し、1年間活動してもらうとか。
谷口
富士通の子会社で、自動車業界向けのITエンジニアリングに取り組んでいるデジタルプロセス社では、「段ボールで自転車をつくる」というテーマで社内コンクールを行っています。毎年20チームくらいがエントリーして競い合うのですが、この取り組みを通じて本業に必要な設計・解析力が向上するのはもちろん、社内のコミュニケーションも深まるという成果があらわれています。こうしたイベントを検討してもいいかもしれませんね。

座談会の様子の写真

田中
この前、ある部門から「引越したら、受付にロボットを置いてはどうか」という提案が寄せられました。良いアイデアだと評価され、AI要素を組み込んだ受付ロボット嬢の設置について検討が進んでいます。このように、提案を積極的に検討する体制はありますので、どんどん手を挙げてもらいたいと思います。若い人たちの方が、いろいろアイデアを出せるのではないですか?
橋本
実は、僕は提案することにトラウマがあって…。5年前、初めてMicrosoft Dynamics AXを扱うことになったとき、自分たちが使っていないものをお客さまに薦めることはできないという話になりました。そこで、部内で一部の業務をAXに置き換える検討を始め、メドが立ったところで本部に提案したのですが、あえなく却下されてしまいました。当時、あるプロジェクトが滞っていたので、そちらに注力してほしいというのが理由だったのですが。
谷口
「次にこういう提案をお客さまにしたいので、この研究に取り組みたい」といった提案でもいいと思いますよ。昔のことは気にせず、ぜひ積極的に提案してください。
田中
今回の体制変更で親会社は2つになりましたが、逆に自分たちで考えて、自由に動きやすくなったともいえます。皆で意見を持ち寄り、いろいろ変えていきましょう。

仕事の広がりについては、どのように考えていますか?

菅井
私は、これまでの業務を通じて、FITECで通用する人間にはなれたと思っています。でも、古河電工以外の仕事を知らないので、会社から一歩外に出たら、通用しない人間かもしれないという不安があります。これからは、古河電工以外の仕事にも注力すると聞いていますので、IT業界の中で実力が高く評価されるエンジニアに成長できる、そんな会社になることを期待しています。
谷口
富士通のグループ企業と比較できるので、業界内におけるFITECの実力は確認しやすくなると思います。たとえば、先ほど紹介したデジタルプロセス社は、FITECの産業システム事業部とよく似た事業を展開しているため、技術交流会を行いました。その結果、分析や解析の専門企業であり企業規模も大きいデジタルプロセス社よりも、FITECの技術力が勝っている分野があることがわかりました。これをきっかけに、新しいビジネスにアプローチすることも可能になると思います。
田中
頻繁に情報交換を行っているユーザー系SIerとの技術交流会も、企画できると思います。
橋本
僕は、さまざまなお客さまの業務を知りたいです。古河電工の業務しか知らないので、その他の企業と比べて、どこが進んでいて、どこが劣っているのか、判断することができません。富士通のネットワークを活かして、そうした情報を学べるといいなと思っています。
谷口
富士通の関連部署や関係会社、それに富士通のお客さまと交流できるよう、今後そうした場を積極的に提供していきます。
田中
確か、インフラ事業部も富士通と技術交流を行っていますよね。
上杉
はい。富士通のセキュリティ部長と話をさせてもらいました。インフラ事業部は古河電工の情シス業務も担当するので、“古河電工グループにとってのあるべきセキュリティ”を考えるにあたり、富士通のグローバルセキュリティに対する考え方を聞かせてもらえたことは、とても参考になりました。
谷口
インフラ事業部の皆さんと話をすると、古河電工のことを徹底的に考えて動いていると感じます。そこも、FITECが継承していくべき優れたDNAだと思います。
上杉
インフラ事業は、古河電工のインフラを一手に引き受けているので、古河電工におけるITの善し悪しを決定するすべての要因を握っているといえます。そこで、日々業界のトレンドを追いかけて時代に乗ったものを提供し、「古河のITがいいのはFITECが導入したインフラのおかげ」と言われることをめざしています。
片倉
私が期待するのは、社内への投資です。FITECの将来として、私は、最新ITを活用したスマートカンパニーを見据えています。その視点から考えると、最新技術への対応が遅れています。将来を見据えて必要なことを社内に蓄積するために、“富士通グループで最も自己投資している会社”にしてほしいと思います。
また、FITECには、イチから十まで自前でやりすぎる傾向があると思います。今後は、注力すべきところをしっかり見極めて対応することが必要だと思いますので、強みを明確にして、その部分をしっかり強化していくことを期待します。
上杉
そうですね。インフラ事業部でも、サーバ設定など協力会社にお任せできるところはお願いし、FITECのメンバーには、リサーチ力、企画力、提案力を重視して、より良いものを古河電工に提供できるよう指導しています。今後も、“考える力”を伸ばすことに重点を置いていきたいと考えています。