ベテラン社員のキャリアパス

国境を超え、領域を超え――ボーダーレスな思考で未来を見つめるグローバルエンジニア。

古河電気工業株式会社出向中

永田 孝彦

1995年入社

情報工学部卒

Profile
「ロジカルに考え、ロジカルに伝える」をモットーとするなど、一見して理論派の永田だが、トラブルに直面した部下には「逃げずにやり切れば、自然と道は開けてくる」と伝えるなど、内面には熱いモノを持っている。冷静沈着な雰囲気に隠されたホットな一面に、周囲や顧客から厚い信頼を寄せられている。

※インタビューの内容は、取材時点(インフラ事業部インフラビジネス/部長 所属時)のものです。
現在、永田は古河電気工業株式会社に出向しています。

Step1:海外業務を通じて、異文化コミュニケーションの難しさと
日本の豊かさに気付く。

More

入社後、初めて参画したプロジェクトは、親会社である古河電工と某通信キャリアとの共同研究による設計シミュレータの開発でした。プログラミングや、モジュール設計の一部を担っていましたが、プロトタイピングということもあって、スクラップ&ビルド、試行錯誤の連続で超多忙な毎日でした。

それから数年後、このシミュレータを製品化し東南アジアの通信キャリアに販売することになり、現地スタッフに導入トレーニングを行うエンジニアが必要とのことで、私に白羽の矢が立ちました。

当時、英語が得意なわけでもなく、海外経験もない私が指名されることは、正直、荷が重いと感じていましたが、「これも貴重な経験だ」と覚悟を決めて引き受けました。

最初の海外業務は、インドネシアの通信会社向けに、システムの保守体制を築くべく、現地会社のエンジニアに対して、保守業務を引き継ぐというものでした。その後、スリランカにも同様の展開をおこないました。

海外を経験し、異文化を体感。

当時を振り返ると、業務それぞれでは、コミュニケーション、仕事の進め方、エンジニアの仕事への取り組み姿勢の違い等で生じる問題があり、色々と苦労はありましたが、それらの苦労よりもむしろ、より強く印象に残っていることは、私が業務を行っていた時期が、インドネシアの政情不安定な時期でもあり、いたるところで、デモ・暴動が起り、さらにはテロの危険まである中で、我々の住む日本が、アジアの中では特別で、いかに恵まれた環境であるか、身をもって感じられたことでした。

Step2:インド企業とのオフショア開発を担うなか、
グローバルな協働に関するノウハウを養う。

More

入社7年目を迎えた頃から、プロジェクトマネージャーとして、案件全体を管理するケースが増えてきました。なかでも重要な経験となったのが、官公庁様向けのパッケージソフトを、インドの会社を活用してオフショア開発したことでした。

私を含む3名が、インド人スタッフ十数名と協力して、開発に臨んだわけですが、私にとって初めてのオフショア開発であり、FITECにとって初めての委託先ですので、戸惑いの連続でした。かつての海外経験で、日本人の常識が世界の常識ではないこと、相互理解が重要であることを痛感していたので、まずは相手がどの程度のスキルをもっているのか、普段、どのようにプロジェクトを進めているのかなど、マネージャクラスとさまざまな点で擦り合わせすることから始めました。

オフショア先は、当時それほど大きな会社ではありませんでしたが、プロジェクトの開発プロセスもきちんとしており、アサインされたスタッフも非常に優秀だと感じていました。

プロジェクトは、プロジェクトメンバとの意識共有が最も重要。海外であればなおさら。

しかし、いざ開発をスタートしてみると、どうにもアウトプットがチグハグで手戻りも多くありました。このままだと、オフショアメリットを享受できないだけでなく、プロジェクトそのものが危うくなると思い、ここまでやる必要があるのかと思いつつも、スタッフ其々とコミュニケーションを取ってみると、プロジェクト全体の目標や意味、目的が正しく理解されていないことが分かりました。その後、改めてメンバ含めて目的意識の共有を図り、その後も重要な局面ごとに意識合わせに努めた結果、どうにかプロジェクトを成功させることができました。

Step3:豊富な海外経験を活かして、
FITECをグローバルな企業へと進化させていきたい。

More

業務中の写真

入社10年目からは、現在の部署で、主に古河電工グループ向けにネットワークやセキュリティといったインフラシステムの構築と運用を担っています。

私自身の役割が、個々のプロジェクトのマネージャーから、複数のプロジェクトを管理する課長、さらには組織全体の舵取りを担う部長へと変化していくなかで、仕事に求められる視点も、短期的な価値・採算性から、より長期的に価値を提供できるかどうかという視点になってきました。

海外を含めた競争の中で、グローバルへの取り組みを加速。

そうした立場で、FITECの将来を考えたとき、最も重要な課題と言えるのが、やはり海外ビジネスへの取り組みだと考えています。

国内市場が縮小傾向にある中で、グループ会社と共に成長を維持するためには、これまでとは発想を切り替え、マーケット、リソース、コスト、コンペティションなど、あらゆる点でグローバルに考えることが必要だと思ってます。

今後のFITECを担う若い社員たちに、グローバルな視点、グローバルな思考を浸透させることこそ、若い頃から海外と接点を持つ機会を与えられた、私の使命ではないかと考えています。