スマートグリッドへの挑戦

スマートグリッドを通じて、
社会の課題解決に寄与する取り組みを強化していきます。

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古河電池株式会社出向中
佐藤 彰洋

Profile

大学では機械系を専攻し、卒業後はハード面だけでなく、ソフト面からも関わってみたいと考え、ハードウェアメーカのソフト関連子会社に就職。制御・計測系の研究開発で経験を積むなかで、一身上の理由により1998年に当社へ転職。現在は、新規事業分野においてソフト/ハードの両面から制御技術を追究する日々を送っている。

培った技術と経験を活かして、社会的な課題解決に貢献

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――まずはエンジニアリング課の役割を教えてください。

これからの社会に求められ、かつものづくりに精通した技術・業務ノウハウを活かせる新しい事業分野の創造・育成を掲げています。
次世代自動車やスマートグリッドなど、社会の課題解決に貢献できる分野への取り組みを強化しており、社会の課題解決に貢献できる分野への取り組みを強化しております。

――なるほど。注力分野に特化した事業開発を担うチームというわけですね。

そうですね。これらの分野は当社にとっても新ジャンルといえる領域ですので、まずは少数精鋭の専門チームによって取り組んでいます。

スマートグリッドの中核となる蓄電池の管理システムを構築

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――最近の特筆すべき成果があれば教えてください。

先日まで私が取り組んでいた業務は、スマートグリッドにおける蓄電池の管理システム構築です。

――システムの特徴を、もう少し詳しくご説明いただけますか。

スマートグリッドにおいて、蓄電池は余剰電力を蓄積して有効活用することで、電力の需要と供給のバランスを調整するという重要な役割を担っています。その役割を果たすためには、「今、どれだけの電力を蓄積しているのか」「あとどれだけ充電できるのか」など、蓄電池の状況をつねに把握し、関連するシステムに伝達する必要があります。
今回、担当したシステムは、蓄電池の各種データをリアルタイムに計測・保存・計算するとともに、関連するシステムに各種情報を提供する為のシステムです。

――開発にあたって特に苦労したのはどういった点でしょうか?

最も苦労したのは、蓄電池の状況を把握する為の計算式に関する要件定義と仕様確定でした。これに加えて、常時変化する蓄電池の状況をリアルタイムに把握するため、システム内には膨大なデータを保存、蓄積する必要がありましたので、その点でも苦労しました。

システム開発のプロとして、困難な案件に挑む

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――今回の業務でFITECの強みが発揮されたのは、どういった点でしょうか?

さまざまな業種業態のお客様の課題を解決するなかで、当社は「システム開発のプロフェッショナル」としての強みを培ってきました。今回の業務におきましても「お客様の理解」や「効率的なシステム開発」といった当社の強みは、やはり有効でした。

――それぞれの強みについて、具体例を交えて説明してもらえますか。

「お客様の理解」は、あらゆるシステム開発の基本といえます。今回の業務では、まずシステムの管理対象となる蓄電池についての専門知識が求められました。これまでに経験のない分野でしたが、蓄電池メーカーの方々と緊密なコミュニケーションを重ねることで、蓄電池の仕組みや、把握・管理すべきデータについて、短期間で理解することができました。それは、当社が「顧客との情報共有」や「顧客技術の理解」について、高度なノウハウを蓄積してきたからに他なりません。

――なるほど。一方の「システム開発の効率化」というのは?

今回の業務のように、システム開発は案件の進捗とともに新たな要求が発生したり、条件が変更したりと、要件定義からやり直すことが少なくありません。しかし、その都度、システム開発をイチからやり直していては、膨大な時間がかかってしまいます。そこで、要件定義の変更点や、その背景を理解しながら、それまでの開発成果をムダにすることなく、システム開発の効率化・最適化を図るのが、私たちの腕の見せ所でした。

これまでの経験や、設備管理の豊富なノウハウを活かして、
スマートグリッドをより広範にサポートしたい

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――今回の業務を通じて、スマートグリッド分野での事業展開にどのような手応えを感じましたか?

ICTを駆使して電力需給を最適化するスマートグリッドには、高度な計測・制御システムが不可欠であり、その意味では、システム開発会社である当社の役割も少なくありません。これからのエネルギーインフラのあり方が模索されるなか、スマートグリッドの分野に、積極的にビジネスチャンスを発掘していきたいと思っています。

――スマートグリッドの実現に向けて、FITECはどのような役割を果たせるでしょう?

今回の経験を活かし、蓄電池分野で他社にない技術を確立することで、同様の案件を獲得していきたいと考えています。これに加えて、当社には設備管理分野での豊富な実績があり、さまざまな機器、設備の管理システムを開発するほか、自社パッケージ商品として通信設備管理プラットフォーム「doSmart FMP」を提供しています。これらを駆使して、蓄電池にとどまらず、送電網や発電施設などスマートグリッドを構成する多様な機器・設備をトータルに管理する大規模システムにも挑戦していきたいと考えています。

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