1.暖めると元の形に戻りますが、冷やした時に変形しますか? |
形状記憶合金とは、基本的には低温時に変形を加えて、暖めると元の形に戻るものです。冷やしただけでは最初に変形を加えた形にはなりません。
低温時に変形させるのに必要な力と、高温時に形状が戻ろうとする力とでは、後者が前者の約3倍になります。合金自身に低温時と高温時で別々の形状を記憶させることは不可能ではありませんが、「変形量のコントロールができない」「低温時の力が弱い」「信頼性に欠ける」「コストが高い」などの理由により、工業レベルの実用化はされていません。
低温時と高温時で逆方向の動作をさせるには、バイアスばねなどの外力により低温時に動かす方法が一般的です。 |
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2.使用に耐えうる変形量は? |
| 変形の繰り返し回数が少ない用途であれば、歪量7%以内は完全に戻ります。1万回以上の繰り返し変形使用をお考えなら、最大剪断歪を1%以内に抑える必要があります。(素材や記憶処理などの条件により若干の変動あり) |
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3.暖めて元の形に戻る時の発生力は?また弾性係数は? |
高温時に戻ろうとする力は、ステンレスで同じ物を作って使用した場合の約1/3です。低温時においては更にその約1/3です。
(歪率、変態点、環境温度などにより変動があります)
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高温時 |
低温時 |
| 横弾性係数(kgf/mm2) |
2,000〜2,400 |
400〜1,000 |
| 縦弾性係数(kgf/mm2) |
6,000〜7,200 |
2,400〜3,000 |
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4.記憶回復温度はどの程度の精度まで設定できますか? |
記憶回復温度は、通常AF点(加熱時形状が戻りきる温度)をご指定いただきます。サンプルの場合で、およそ±5℃の許容差をいただいております。
ヒステリシスは歪率を1%以内に抑えた場合で5℃以内にできますが、歪率が大きくなると約30℃程度まで開いてきます。
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| 下記の使用条件は、記憶特性や寿命特性に悪影響を与えるので避けてください。 |
- AF点より60℃以上高温の環境に拘束して放置する
- AF点より200℃以上高温の環境に無負荷で放置する
- AF点より60℃以上低温の環境からAF点以上に温度を上げて繰り返し使用する
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5.耐久性は?何回ぐらいまで形状回復できますか? |
2.の歪率を1%以内とし、4.の使用環境温度でご使用いただくと、数十万回の冷熱サイクルまで使用は可能です。
どちらかの条件が満たされませんと、千回以下(歪率によりますが)で回復力がかなり低下し、完全には元の形状に戻らなくなります。
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6.熱伝導率は?また熱による動作応答性は? |
熱伝導率はステンレス並みで余りよくありません。AF点から約15℃(製造条件によってこの幅は変化しますが)低温になった状態で、低温相になります。
応答性は、如何に速く所定の温度に温め、冷やすかにかかってきます。 |
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7.加工性は?溶接、ろう付け、穴開けなどはできますか? |
この合金同士の溶接は可能ですが、溶接部が弱くなったり変態点が変わったりすることがあります。また、異種金属との間の溶接はできません。
ろう付けは可能ですが条件が難しいので、通常はかしめ等機械的接合を行っております。
0.5mm厚位までの板ならプレスで穴開けできますが、プレスの耐久性が問題となります。それ以上の厚さですとワイヤカット放電機やレーザ加工機による加工となります。 |
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8.通電による加熱はできますか?
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温度差のないところで形状記憶合金を使用する場合は、通電加熱が一般的に考えられますが、現在のところ実用化例は少なく、余りデータもありません。
温度により抵抗値が変化すること、過熱防止の方法、自然空冷の場合は応答スピード、等が問題となります。 |
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9.NT-H合金とは何ですか?他のNT合金との違いは? |
NT-H合金は、4.に述べました使用温度環境温度がAF点より60℃以上離れた低い温度とAF点以上の高温との間を上下するような場合に使用しても、繰り返し寿命特性が従来より向上した材料(AF点が高いもので寿命がよいもの)です。
AF点を室温よりかなり上げたい通電加熱法によるような用途についてはこの新材料をご使用いただいた方が有利かと存じます。
ばねの場合横弾性係数はおおよそ高温時1,800〜2,000kgf/mm2_、低温時100〜400kgf/mm2ですが、歪率、変態点、環境温度の関係等によって変化します。 |
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10.どのような形状で提供されますか? |
| 従来は製造のしやすさから、丸線、コイルばね、角線、テープが多く、板は量産にまで至っておりません。発生力、変形量等にもよりますが、寿命やバイアスばねの取りつけ易さを考えますとコイルばねの方が有利です。 |
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